法定相続情報証明制度をご存じですか?

「法定相続情報証明制度」とは、相続が開始した後、相続人が法務局に対して、被相続人の出生から死亡までの戸籍や、相続人の戸籍などを提出し、登記官がその内容を確認したうえで、法定相続人が誰であるかを証明する制度です。これらの戸籍とともに提出する「法定相続情報一覧図」(いわゆる相続関係説明図)には、登記官の認証文が付され、「法定相続情報一覧図の写し」として交付されます。この写しは何通でも無料で発行してもらえます。

この「法定相続情報一覧図の写し」を利用することにより、これまで相続登記、預貯金の払戻し、相続税の申告などの際に必要だった、被相続人の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍などの「戸籍謄本の束」の提出を省略することができます。

さらに、従来であれば「戸籍謄本の束」が一組しかない場合、たとえばA金融機関での手続が終わってからB金融機関へ、さらに相続登記へというように順番にしか進められなかった手続が、「写し」を複数通発行することで同時進行が可能となり、手続の迅速化が図れます。

加えて、金融機関などの担当者が行う「戸籍謄本の束」の確認作業の負担も軽減されます。

したがって、手続先が多く、相続登記や相続税の申告も必要な相続人の方は、この「法定相続情報一覧図の写し」の活用をぜひご検討ください。

なお、本制度の申出は行政書士も代理人として行うことが可能です。当事務所でも対応しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

【注意点】

※1 相続放棄の有無は反映されません。

※2 被相続人または相続人が日本国籍を有せず、戸籍謄本・除籍謄本等を添付できない場合は、本制度を利用できません。

※3 被相続人の死亡後に子の認知があった場合や、死亡時に胎児だった者が出生した場合、また一覧図交付後に推定相続人の廃除が確定した場合など、被相続人の死亡時に遡って相続人の範囲が変動する事由が生じた場合には、申出人は再度、本制度の申出をする必要があります。